何が描かれているか
デルフトを南から見ている。手前は砂地の岸で、白い頭巾の女が二人、こちらを向いて立つ。左手には黒っぽい服の一団と、舫われた小舟がある。
水をはさんで向こうが街である。左に赤い屋根の家並み、中央に青と金の文字盤を掲げた門、その右に橋、さらに右へ、尖った屋根の塔を二本もつ門が続く。岸には帆をたたんだ舟が並んでいる。
作品の見どころ
17世紀オランダの都市景観の中で、いちばん知られている一枚である。館は、光と影のやりとり、雲の空、水面の細やかな映りこみを挙げて、まぎれもない傑作だと書いている。
ただしこの静けさは、作られたものでもある。館によれば、フェルメールは画面を水・街・空の三本の横帯に分け、建物を実際より少し整えて描いた。新教会の塔も、本当はもう少し右にあったのを、中央へ寄せている。
制作背景
署名は左下、舟の上にある。最初の持ち主は、おそらくデルフトのピーテル・クラースゾーン・ファン・ライフェンで、その後はヤコブ・ディシウスの手に渡った。1696年5月16日の競売にも出ている。
19世紀に入るとハールレムのコプス家が持ち、1822年5月22日、アムステルダムの競売にかけられた。館のために競り落としたのはデ・フリースで、購入は同じ年である。