1807~1808年頃
53歳頃

アルプスの風景

画家 エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン →
Alpine Landscape / メトロポリタン美術館
山の斜面が左右から迫り、谷の水辺が遠くへ続く。

何が描かれているか

山の斜面が左右から迫り、谷の水辺が遠くへ続く。空は雲に覆われ、山の輪郭りんかくの一部が柔らかく消える。肖像画が多いヴィジェ=ルブランの仕事の中では、人物を主役にしない珍しい風景だ。小さな画面でも、手前の暗い山から遠方の明るい峰へ視線が進む。土地の高さと空気の変化が伝わる。

作品の見どころ

岩や水を一本ずつ硬い線で囲むより、色の重なりで形を作っている。近くの斜面は暗く、奥の山は青みを帯びるため、距離が感じられる。水辺の明るさをたどると、見通しの悪い谷にも奥行きが生まれる。人の姿や建物を探すより、山と雲がどこで接し、どこで離れるかを見ると、この小品の見どころが分かる。

制作背景

メトロポリタン美術館は1807~1808年頃の紙にパステル、所蔵番号2025.708と記録する。パステルは乾いた色材で、油絵具と違う柔らかな重なりが作れる。同館は、国外にいた画家が戸外で風景を描いたことに注目する。肖像画家という一つの肩書だけで生涯を終わらせず、旅の中で試した別の題材として紹介したい。

作品情報

材質・技法
紙にパステル
所蔵
メトロポリタン美術館

出典・画像について

出典:メトロポリタン美術館 作品記録(2026-09-26 確認)
画像:Élisabeth Louise Vigée Le Brun《アルプスの風景》/The Metropolitan Museum of Art / CC0
画像の出典 / CC0 / Open Access(画像情報:2026-09-26 確認)
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