黒い上着を着た男性が、肩から青い帯を掛けて正面を見る。
何が描かれているか
黒い上着を着た男性が、肩から青い帯を掛けて正面を見る。明るい顔と青い帯は、暗く抑えられた服と背景から浮かぶ。胸には勲章もあり、身分や役職を示す要素が少ない数で集められている。柔らかく重なる布と、まっすぐ向けられた目の対比が強い。画家が女性だけでなく男性の公的な肖像にも取り組んだことを示す作品だ。
作品の見どころ
画面の下へ目を移すと、帯の青が布の起伏によって明るくなったり暗くなったりする。上着の黒も一様な平面ではなく、折れ目や襟に違う光が入る。顔は細かな肌の色の変化で表され、姿勢はゆったりして見える。装飾を多く描いて豪華さを競うのでなく、限られた色の中で人物の存在感を作っている。
制作背景
メトロポリタン美術館は1787年の板に油彩、所蔵番号49.7.53と記録する。モデルのアレクサンドル・シャルル・エマニュエル・ド・クリュソル=フロランサックは軍人などの役を務めた。同館は青い帯を聖霊騎士団、胸の小さな十字をマルタ騎士団の印として説明する。絵からその人物の心情まで読み取ったとせず、衣装に残る公的な印を手掛かりにしたい。
出典・画像について
画像:Élisabeth Louise Vigée Le Brun《クリュソル=フロランサック伯爵の肖像》/The Metropolitan Museum of Art / CC0
配布元のCC0表示を確認。
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