何が描かれているか
白く光る衣を着た女性が、花輪を手に立つ。髪には花と白い羽根が重なり、肩から腕へ柔らかな布が落ちる。モデルはデュ・バリー夫人で、宮廷に近い人物として知られた。画面には王宮の大きな部屋や豪華な家具より、本人の顔と衣装が大きく描かれる。装いを細かく見せながら、表情へ視線を戻す肖像だ。
作品の見どころ
服の白は一色ではない。胸元は強く明るく、腕の周りでは灰色の影が入る。背景の暗い空と樹木は、人物の輪郭を浮かび上がらせる。手の花輪、髪の飾り、布のひだをたどると、異なる素材の描き分けが分かる。本人がどんな性格だったかを絵から断定するのではなく、画家がどのような姿を選んで見せたかに注目したい。
制作背景
ナショナル・ギャラリーは1782年のカンヴァスに油彩、所蔵番号2014.136.36と記録する。画面右下には画家の署名と年記がある。同館はこの作品の画像をパブリックドメインで公開している。画家は王妃マリー・アントワネットの肖像でも名を上げたが、この絵では宮廷と関わりのある別の女性を描いた。時代の衣装を知る手掛かりにもなる。
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鈴木杜幾子 著 / KADOKAWA
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