八角形の小さな画面と胸元の手が、友人を描く肖像の近さを生む。
何が描かれているか
赤いショールをまとった女性が、肩を斜めにしてこちらを見つめる。モデルはゴロヴィナ伯爵夫人。黄色い布を髪に巻き、片手を胸元に添える。バーバー美術研究所は、画家がロシアに滞在した際の友人と説明する。豪華な室内や家柄を示す道具は見当たらず、顔、手、体を包む布が大きく描かれる。画面自体も四隅を落とした八角形で、人物の周囲が引き締まって見える。
作品の見どころ
額から頬、白い襟へ下がる明るさと、深い赤の布を比べたい。ショールのひだは肩から腰へ斜めに重なり、その途中に手が置かれる。顔へ向かう流れと、体を囲む流れを同時にたどれる。手が布を寄せる仕草と近い視線から、親しい距離を感じられるが、それは絵の見方の一つである。本人の性格や、その瞬間の気持ちを画像から断定するものではない。
制作背景
館は制作年を1797–1800年頃、技法をカンヴァスに油彩、所蔵番号を80.1とする。公式資料には制作地の表記の違いがあるため、ここではロシア滞在中の肖像として扱う。八角形は作品の形であり、画像の四隅の白い部分は作品外の余白である。輪郭に沿って見れば、近距離の構成が分かる。
出典・画像について
画像:Élisabeth Louise Vigée Le Brun《ゴロヴィナ伯爵夫人》/The Barber Institute of Fine Arts / Wikimedia Commons
個別配布画像は原作品と忠実複製をPublic domainと表示しています。国・地域により扱いは異なります。八角形の作品外の四隅だけ表示時に隠し、作品本体は保持。
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