ベルリンでの対面から油彩の肖像へ。王妃と描かれた石の枠を見比べる。
何が描かれているか
赤い服と白い袖の女性が、青い空を背にこちらを見る。プロイセン王妃ルイーゼの肖像である。画面には楕円形の石の枠も描かれ、その内側に顔と上半身が収まる。頭の飾り、胸元の布、腰の帯を順に見ると、異なる質感が重ねられている。人物を囲む楕円と、長方形の画面の四隅は、どちらも絵の一部だ。写真の外枠と区別して、全体を見たい。
作品の見どころ
暗い石の枠に対し、顔と首、白い袖は明るく浮かぶ。赤い衣のひだと青空も強い違いを作る。体を斜めにしつつ顔をこちらへ向けた姿は、枠の内側に奥行きを感じさせる。飾りを一つずつ数えるだけでなく、輪郭、服の影、目の向きへ視線を戻すと、立場を示す装いと人物の表情を一緒に描く工夫が見えてくる。石の質感と柔らかな布の違いも楽しめる。
制作背景
メトロポリタン美術館の展覧会図録は、この油彩を1802年、プロイセン家のコレクションと記録する。画家は1801年にベルリンで王妃を描き、対面のパステル習作をもとに油彩版を制作した。習作とこの絵は別の作品である。完成した場所や時期の細部は確定していないため、1802年に全てベルリンで描いたとはしていない。
作品情報
所蔵
ホーエンツォレルン城(プロイセン家コレクション)
出典・画像について
画像:Élisabeth Louise Vigée Le Brun《プロイセン王妃ルイーゼ》/原撮影者未記載 / Wikimedia Commons
個別配布画像は原作品と忠実複製をPublic domainと表示しています。国・地域により扱いは異なります。色補正・生成処理・作品の切り取りなし。
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