1789年
34歳頃

画家と娘ジュリー(1789年)

画家 エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン →
Madame Vigée Le Brun and Her Daughter Julie / ルーヴル美術館
画家と娘ジュリーが向き合い、強く抱き合う。

何が描かれているか

画家と娘ジュリーが向き合い、強く抱き合う。娘の腕は母の首の周りへ回り、母はその背を包む。二人の顔は近く、背景は暗い。抱擁の形が画面の中心になり、服の赤や白も体の動きに沿って流れる。親子を並べて紹介する肖像ではなく、その関係を身振りで見せる自画像である。

作品の見どころ

ジュリーは1786年の別の絵より大きく描かれ、母の膝にただ抱かれる子ではない。こちらへ向く顔と、母へ寄せる体の向きが同時にある。腕が作る輪の内側に二人の顔が収まり、目は自然にそこへ集まる。赤い帯と明るい肌は暗い背景で際立つ。母娘の気持ちを一つの言葉に置き換えるより、身振りと視線がどう結ばれるかを見たい。

制作背景

ルーヴル美術館は1789年の板に油彩ゆさい、所蔵番号INV 3068と記録する。1786年の親子像はINV 3069であり、同題でも別の作品だ。この絵が描かれた年にフランス革命が始まり、画家はのちに国外へ移った。ただし抱擁を離別の予告として作ったと断定する史料は、ここで確認した所蔵記録にはない。作品を当時の親子像として見たうえで、後の生涯と分けて考えたい。

作品情報

材質・技法
板に油彩
所蔵
ルーヴル美術館

出典・画像について

出典:ルーヴル美術館 作品記録(2026-09-26 確認)
画像:Élisabeth Louise Vigée Le Brun《画家と娘ジュリー(1789年)》/Shonagon / Wikimedia Commons / Public Domain Mark
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