白い薄手の衣装と大きな帽子を着けた王妃が、花を手に立つ。
何が描かれているか
白い薄手の衣装と大きな帽子を着けた王妃が、花を手に立つ。肩や袖の布は柔らかく、豪華な宮廷礼服とは違う。背景には暗い庭のような空間が広がり、顔と白い衣が明るく見える。王妃を公的な権威の象徴としてだけでなく、屋外でくつろぐ人物のように示した肖像である。衣装の軽さが、この絵の新しさを伝える。
作品の見どころ
帽子の大きなつばから落ちる影と、白い衣の明るさを見比べたい。花を持つ手は胸の前にあり、見る人の目を顔から衣装へ導く。飾りを減らしたように見える服も、画面では形と質感が細かく選ばれている。自然体の肖像に見えても、服装や表情が見る人にどう受け取られるかを考えた表現だ。
制作背景
1783年のサロンで、この非公式な装いの王妃像は議論を招いた。ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、綿の薄い衣で王妃を描いたことが当時の人々に衝撃を与えたと説明する。この作品と《バラを持つマリー・アントワネット》は同年に描かれた別の肖像である。画像はヴォルフギャルテン城所蔵の版を示し、他の衣装の王妃像と取り違えないようにした。
出典・画像について
画像:Élisabeth Louise Vigée Le Brun《モスリンの衣装のマリー・アントワネット》/Kaho Mitsuki / Wikimedia Commons / Public domain
Commonsはパブリックドメインと表示。複製画像の扱いには法域による留保がある。
間違いを見つけたら、教えてください →アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
画家たちのフランス革命 王党派ヴィジェ=ルブランと革命派ダヴィッド
鈴木杜幾子 著 / KADOKAWA
ヴィジェ=ルブランとダヴィッドの活動から、フランス革命期の画家をたどる本。
楽天ブックスで見る →