黒い衣装に赤い帯を結んだ画家が、パレットと筆を手にこちらを見る。
何が描かれているか
黒い衣装に赤い帯を結んだ画家が、パレットと筆を手にこちらを見る。画面の左には制作中の肖像があり、そこにはマリー・アントワネットの姿が現れる。画家自身の顔と、描きかけの王妃像を一枚に入れた自画像だ。王妃の画家として歩んだ仕事を、国外で制作した時期にも示している。
作品の見どころ
手元の筆と画面内の絵をたどると、仕事の途中で振り向いたような構図が分かる。黒い服の輪郭は暗い背景に溶けるが、赤い帯と白い頭の布が体の位置を示す。顔は明るく、見る人へ視線を向ける。帽子の自画像では戸外に立っていたのに対し、こちらは描く行為そのものを画面に入れる。二つの自画像を比べると、仕事の示し方が変わる。
制作背景
ウフィツィ美術館は1790年のカンヴァスに油彩、所蔵番号1890 n. 1905と記録する。画家は革命後にフランスを離れ、ローマでこの絵を制作した。同館によると、フィレンツェの自画像コレクションに加わる作品として依頼された。画中の王妃像は、以前からの後援者への忠誠を示すと同館は解釈する。別の自画像をこの作品と混同しないため、所蔵先を題名に添えた。
出典・画像について
画像:Élisabeth Louise Vigée Le Brun《自画像(ウフィツィ美術館)》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark / Wikimedia Commons PD-Art
Commonsはパブリックドメインと表示。複製画像の扱いには法域による留保がある。
間違いを見つけたら、教えてください →アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
画家たちのフランス革命 王党派ヴィジェ=ルブランと革命派ダヴィッド
鈴木杜幾子 著 / KADOKAWA
ヴィジェ=ルブランとダヴィッドの活動から、フランス革命期の画家をたどる本。
楽天ブックスで見る →