1888年
39歳頃

シャロットの乙女

画家 ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス
The Lady of Shalott / テート・ブリテン
呪いを知りながら舟を出す直前を、消えかけた蝋燭と解かれる鎖で語る。

何が描かれているか

テニスンの詩の主人公が、小舟の鎖を解いて川へ出ようとする。舟には彼女が織った布と、消えかけた三本の蝋燭がある。
遠くに水辺と秋の草木が続き、人物の白い服と赤い刺繍が前景に集まる。
舟の先端と川の流れは奥へ進む一方、鎖と織物は彼女を岸へつなぎ止めるように見える。三本の蝋燭のうち二本は消え、残る一本の火、落ちた葉、開いた口元が、決断を実行する瞬間と命の終わりが近いことを静かに伝える。

作品の見どころ

舟の先端と川の流れが奥へ進む一方、鎖と織物は彼女を岸へつなぎ止めるように見える。
残る一本の火、落ちた葉、口を開く表情が、決断と終わりの近さを静かに伝える。
白い服の人物から、赤い織物、鎖、消えた蝋燭へ進むと、詩を知らなくても別れの準備が読める。自然の細部はきれいな背景ではなく、秋と水の流れによって戻れない時間を進める役割を担う。

制作背景

1888年制作。直接世界を見れば呪われる乙女が、騎士ランスロットを見た後、塔を出る場面に基づく。
物語を知らなくても、解かれる鎖と消える光から「戻れない出発」を読めるよう構成されている。
テニスンの1832年の詩では、外の世界を直接見れば呪われる乙女が、騎士ランスロットを見たため塔を出て舟に乗る。ウォーターハウスは彼女が死へ流される結末より少し前、鎖を解く行為を選び、受け身の悲劇だけでなく自ら踏み出す決断も描いた。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
テート・ブリテン
位置づけ
目録番号 N01543

出典・画像について

出典:テート 作品解説2026-09-13 確認)
画像:John William Waterhouseシャロットの乙女》/シャロットの乙女 — John William Waterhouse / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-13 確認)
Public Domain表示の忠実な複製画像です。扱いは国・地域によって異なります。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

ウォーターハウス
ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス / 青幻舎
神話や文学の女性像を中心に、ウォーターハウスの代表作を手に取りやすい形で眺められる小型画集です。
楽天ブックスで見る →