暗い背景の前に立つ細長い人物。インクの線と紙の明るさで、黒い服の姿を見せる素描。
何が描かれているか
縦に長い紙の中央に、一人の人物が立っている。頭と肩の周囲は明るく、服や背景には斜めの細い線が密集する。輪郭をすべて太く囲むのではなく、暗い部分と紙の明るい部分で姿が浮かぶ。
人物の横には、背景を囲む四角い線が見える。下には題名や蝶の印があり、紙に残った書き込みも見られる。完成した油絵とは違う小さな素描だ。
作品の見どころ
最初は頭から足元へ、人物の縦長の形をたどってみたい。服の暗い部分にも白いすき間が残り、同じ黒さが一様に塗られてはいない。線の向きや重なりを見比べると、濃淡を作る方法が分かる。
人物と背景を比べてみたい。どちらにも濃い線があるため、明るい顔や細い輪郭が目につく。小さな紙の中で、顔、服、背景の明るさを組み合わせて人物を見せている。
制作背景
所蔵館は1881年の作品とし、黒鉛、ペン、褐色インクを使った素描と記録する。題名の「アレンジメント」は配置や組み合わせという意味で、ここでは黒い形同士の関係へ目を向ける入口になる。
ただし紙にある印がすべて1881年に加えられたわけではない。所蔵館は右下の黒鉛の蝶を1890年頃の追加とする。作品本体の制作年と、後から残された書き込みの時期を分けて見たい。
作品情報
所蔵
ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)
書き込みについて
右下の黒鉛の蝶は1890年頃の追加と所蔵館が記録。
出典・画像について
画像:James McNeill Whistler《黒のアレンジメント、第3番》/黒のアレンジメント、第3番 — James McNeill Whistler / Courtesy National Gallery of Art, Washington
所蔵館が対象画像をCC0で公開。全景を保持し一覧は等比縮小。
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