1863〜1865年
29〜31歳

陶器の国の姫君

画家 ジェームズ・マクニール・ホイッスラー
La Princesse du pays de la porcelaine / スミソニアン国立アジア美術館(フリーア美術館)
東アジアの品々を舞台に、西洋が想像した「姫君」を組み立てた。

何が描かれているか

長い黒髪の女性が花柄の着物風衣装をまとい、右手に団扇を持って立つ。背後には金色の屏風、足元には模様のある敷物が広がり、青白い陶器や扇などが周囲に置かれる。
人物は西洋人モデルのクリスティーン・スパルタリで、実在する東アジアの王女を描いた肖像ではない。衣装、屏風、陶磁器を組み合わせ、西洋の室内に架空の「陶器の国」をつくっている。

作品の見どころ

桃色、橙、黒の衣装を、金色の屏風と淡い床へ重ねる。奥行きを深く見せるより、屏風や衣の模様を画面と平行な色面として広げ、人物も装飾の流れに加える。
団扇を掲げる手と反対側へ引く裾が、立ち姿にゆるい曲線をつくる。顔だけを目立たせず、髪、衣装、屏風、陶器の異なる表面を同じ注意で見せる点が重要である。

制作背景

スミソニアン国立アジア美術館は1863〜1865年頃の作品として登録する。のちにフリーア美術館の「ピーコック・ルーム」に置かれ、室内装飾と一体で見られるようになった。
当時の欧米では日本や中国の美術品が流通し、画家たちは造形を取り入れた。本作は文化を正確に再現した資料ではなく、異なる地域の品を混ぜた19世紀西洋のジャポニスムとして見る。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい、カンヴァス
所蔵
スミソニアン国立アジア美術館(フリーア美術館)
位置づけ
日本や中国に由来する品々を組み合わせ、西洋で作られた東アジア像を装飾的な色面にした。

出典・画像について

出典:スミソニアン協会 作品記録2026-09-22 確認)
画像:James McNeill Whistler陶器の国の姫君》/陶器の国の姫君 — James McNeill Whistler / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-22 確認)
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