白を一色にせず、布、毛皮、花、肌の差として見せた。
何が描かれているか
白いドレスの女性が白いカーテンの前に立ち、左手に一輪の白百合を下げている。モデルはジョアンナ・ヒファーナン。赤褐色の髪と肌だけが、白の多い画面から強く浮かぶ。
足元には口を開けた動物の毛皮が広がり、その下に青い模様の敷物がのぞく。白い服、幕、花、毛皮は同じ白ではなく、冷たい灰色、黄み、青みを少しずつ含む。
作品の見どころ
「白」を平らな一色として塗らず、薄い布、厚い毛皮、花びら、光を受けた肌の違いとして描き分ける。白どうしの小さな差が、人物の輪郭と空間の奥行きをつくる。
女性の静かな立ち姿に対し、足元の毛皮の目と牙、散った花には不穏さがある。ただし特定の物語を一つに決める手がかりではなく、清らかさと生々しさを並べる視覚的な緊張として見られる。
制作背景
ナショナル・ギャラリー・オブ・アートは1861〜1863年制作、1872年加筆と記録する。ロンドンの展覧会で受け入れられず、1863年にパリの落選展へ出品された。
批評家は小説のヒロインなど物語的な意味を探したが、ホイッスラーは後に音楽用語を含む題名を用いた。人物の意味だけでなく、白と白の関係を見るよう鑑賞の焦点をずらした作品である。
作品情報
所蔵
ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(ワシントン)
位置づけ
白い衣、幕、花を重ね、物語より色と質感の関係を前面に出した初期の代表作。
出典・画像について
画像:James McNeill Whistler《白のシンフォニー第1番―白の少女》/白のシンフォニー第1番―白の少女 — James McNeill Whistler / Wikimedia Commons
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