館によれば、肌をやわらかい灰色で塗り、壁の影を淡い青で塗ることに踏み切ったのは、フェルメールが最初だった。影は暗い色で置くものだったところへ、青を持ってきたのである。上着の青は瑠璃の石から作る顔料で、画面のほかの色は、すべてこの青に従うように選ばれている。壁も卓も椅子も、青を立たせるために抑えられている。
何が描かれているか
若い女が横を向いて立ち、両手で紙を持って読んでいる。顔は下へ向き、口もとがわずかに開いている。手紙である。
上着は明るい青。館によれば、これは朝の場面で、女はまだ青い寝間着のままである。裳は灰みの緑。腕はどちらも前に出していて、紙のほかには何も持っていない。
作品の見どころ
この絵でいちばん強いのは、上着の青である。館の言い方では、ほかのすべての色がこの青に従っている。壁も、卓も、椅子も、青を目立たせるために抑えられている。
館は、フェルメールが光の効き方を正確に写しとった、と書く。そのうえで、肌をやわらかい灰色にし、壁の影を淡い青にすることへ最初に踏み切ったのはこの画家だ、としている。それまで誰もやらなかったことだ、ということである。
制作背景
1712年6月14日、アムステルダムの競売にこの絵が出ている。値は110ギルダーだった。
1759年、同じ市に住んでいたモーゼス・デ・シャーヴェスが亡くなり、遺産の目録が作られた。そこにこの絵は、デルフトのフェルメールによる青い娘、と書かれている。題が決まっていなかった時代に、人がこの絵をどう覚えていたかが分かる。