海に面した高い岸壁で、男性と女性が並んで立っている。
何が描かれているか
海に面した高い岸壁で、男性と女性が並んで立っている。二人は近くにいても互いの顔を見ず、遠くの海へ目を向ける。曇った空と石の壁が画面の大半を占め、人物はその境目に置かれた。漁港で働く人の表情を説明するより、海を待つ時間と体を吹き抜ける空気を感じさせる絵である。
作品の見どころ
岸壁の斜めの線が二人のいる場所へ視線を運ぶ。灰色の海と空は一色ではなく、淡い緑や青が重なり、奥の建物は霧の向こうに沈む。手前の人物を細かく描きすぎず、石の質感と遠景のぼやけ方を対比した。見下ろす構図のため、見る人も二人の少し後ろに立ち、同じ海を眺めているように感じる。
制作背景
1888年頃に英国コーンウォールのセント・アイヴスで制作された油彩画で、オルセー美術館の所蔵作品である。ソーン美術館の画家紹介は、この滞在中に油彩へ本格的に移ったと説明する。故郷スウェーデンの光とは異なる、湿った港の空気を描いた初期の重要作だ。後の明るい海辺の絵だけで画家を考えないためにも、この曇天の作品を見ておきたい。
出典・画像について
画像:Anders Zorn《セント・アイヴスの漁師》/Wikimedia Commons
Wikimedia Commons。パブリックドメイン表示(法域による留保あり)。
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この画家について本で読む
Anders Zorn: A European Artist Seduces America
Oliver Tostmann 編 / Paul Holberton Publishing
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