おしゃれな帽子や色鮮やかな袋を見ていると、足元の暗がりに竜がいることに気づきます。いつもの服装と恐ろしい怪物が、一人の聖人をめぐる絵の中で出会っています。
何が描かれているか
麦わら帽子をかぶる聖マルガリタが、杖と本を持って立っています。腕には縞模様の袋。青い上着や赤いスカート、肩に掛かる毛皮まで、服の素材が描き分けられています。
作品の見どころ
本のページに差し入れられた指を見ると、読む手を止めてこちらを向いたようにも感じられます。一方、後ろの竜は口を開き、牙を見せています。人物の明るい肌と、暗がりに沈む怪物のうろこが対照的です。
制作背景
中世の『黄金伝説』では、彼女をのみ込んだ竜の腹から、彼女が無傷で出てきたと語られます。竜は聖人を見分ける印でもあるのです。館はこの作品を、助手が多く関わった聖女の連作とは分け、スルバラン自身が描いた独立作品としています。
出典・画像について
画像:Francisco de Zurbarán《アンティオキアの聖マルガリタ》/アンティオキアの聖マルガリタ — Francisco de Zurbarán; Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
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