殉教の絵なのに、まず目を引くのは血ではなく白い布です。幾重ものひだを追っていると、手首を縛られ、頭を落とした人物の重さが伝わってきます。
何が描かれているか
白い修道服を着た聖セラピオンが、両手首を上へ縛られ、横に頭を垂れています。胸には修道会の紋章があり、右の小さな紙に人物名と署名、制作年が記されています。
作品の見どころ
布の出っ張った部分は明るく、くぼみは茶色い影に沈んでいます。ひだの量感はとても確かですが、体の傷は服に覆われています。殉教の残酷な場面を細かく見せず、動かなくなった体へ目を向けさせる描き方です。
制作背景
セビーリャのメルセス会修道院で、亡くなった修道士のために祈る部屋に置かれた作品です。同会は、捕虜となったキリスト教徒の解放に携わりました。セラピオンの最期には複数の伝承があり、この絵を一つの出来事の実況として受け取らないことも大切です。
作品情報
所蔵
ワズワース・アセニアム美術館(ハートフォード)
出典・画像について
画像:Francisco de Zurbarán《聖セラピオン》/聖セラピオン — Francisco de Zurbarán; Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
全景を使用。比例縮小以外の切り抜き・色補正はしていません。
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