壁に掛けられた白い布を見ていると、そこに顔が浮かんできます。布のひだは触れられそうに確かで、顔はかすか。その見え方の違いが、不思議な強さを生んでいます。
何が描かれているか
角を留めた白い布に、いばらの冠をかぶるキリストの顔が現れています。布は暗い背景から浮き上がり、上の張った部分と下へたるむ部分で、光の当たり方が変わっています。
作品の見どころ
端の鋭い折れ目から中央へ目を動かすと、顔の輪郭は急に柔らかくなります。はっきり描く場所と、ぼんやり残す場所が隣り合うため、顔が布の中から現れつつあるようにも見えます。
制作背景
キリストが処刑場へ向かう途中、ヴェロニカが汗や血をぬぐうと、布に顔が残ったという伝承を描きます。実在する遺物の真偽を証明する絵ではありません。スウェーデン国立美術館は、見る人が想像の中で像を補うような描き方にも注目しています。
出典・画像について
画像:Francisco de Zurbarán《聖ヴェロニカの布》/聖ヴェロニカの布 — Francisco de Zurbarán; Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
全景を使用。比例縮小以外の切り抜き・色補正はしていません。
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