13世紀後半(制作年代には異説)
年齢不詳

アッシジ上堂の磔刑たっけい(南翼廊)

画家 チマブーエ →
Crocifissione (transetto sud) / 聖フランチェスコ聖堂・上堂(アッシジ)
天使の飛ぶ姿と群衆の伸ばす腕が、大きな十字架へ向かう。

何が描かれているか

大きな十字架の中央で、キリストの身体が弓のように曲がる。上には翼を広げた天使が飛び、地上では左右の群衆が中央へ顔を向ける。左のマグダラのマリアは両腕を伸ばし、十字架の下には祈る聖フランチェスコがいる。
アッシジの聖フランチェスコ聖堂の上堂にある壁画である。上堂は二層の聖堂の上階を指す。板に描いた十字架像と違い、受難を見守る人々まで一つの広い場面に組み込まれている。

作品の見どころ

天使の衣、群衆の腕、キリストの傾かしいた胴体を順にたどりたい。翼や手の斜めの線が重なり、離れた場所にいる人物を結びつける。この線のつながりは、周囲へ広がる悲しみを読み取る手がかりになる。
身体の大きさと群衆の密集にも注目したい。十字架を囲む空間は広いが、人々の手と視線によって中央へ引き寄せられる。

制作背景

チマブーエと工房が手がけた上堂の装飾の一部で、南翼廊に位置する。制作年代には異説があり、一年に確定しない。
顔や衣が暗く見えるのは、白い顔料がんりょうである鉛白えんぱくの変化を含む保存状態による。失われた彩色も多い。現在の明暗を、そのまま当初の配色として読まないことが大切である。

作品情報

材質・技法
壁画(フレスコ)
作者
チマブーエと工房
所在
上堂・南翼廊

出典・画像について

画像:Cimabue and workshop《アッシジ上堂の磔刑(南翼廊)》/The Yorck Project / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0(画像情報:2026-10-02 確認)
画像の全範囲を保って縮小・JPEG再保存。色補正・修復・反転なし。2002年刊行の複製画像。撮影年不明。忠実な複製の権利の扱いには法域差があります。
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