1260年代頃
年齢不詳

アレッツォの十字架上のキリスト

画家 チマブーエ
Crucifix of Arezzo / サン・ドメニコ聖堂(アレッツォ)
傷ついた身体の重みを、十字架の形と曲がる姿で見せた。

何が描かれているか

十字架の中央でキリストは頭を右へかしけ、身体を大きく湾曲させる。腕は横へ伸びるが、腹と脚はまっすぐな柱の上に重く沈む。左右の端に聖母と福音書記者ヨハネを配した、礼拝のための大きな板絵である。
これは十字架を単なる記号として示す絵ではない。苦しみを受けた人の身体としてキリストを描き、見る人が傷や表情に近づけるようにする。

作品の見どころ

胸から腹へ続く明暗と、脚を通る長い線に注目したい。輪郭りんかくは細く整えられる一方、胴体が曲がることで、重さを受けた姿勢が生まれる。左右の小さな人物が視線を内側へ向け、中央の身体へ見る順番を導く。
十字架の形に合わせて人物を配置するため、横木や下端も画面の一部になる。額縁の中に独立した一場面を置く形式とは違い、教会の空間へ絵そのものが立つ。

制作背景

アレッツォのサン・ドメニコ聖堂にある作品で、チマブーエの初期に位置づけられる。制作年には幅があり、ここでは1260年代頃とする。図像を特定の一瞬の記録として読むより、礼拝者へ受難を示す像として見る必要がある。
後のサンタ・クローチェの十字架と比べると、同じ主題でも身体の曲げ方や顔の陰影が変わる。

作品情報

材質・技法
テンペラ・金、板
所蔵
サン・ドメニコ聖堂(アレッツォ)
位置づけ
傷ついた身体の重みを、十字架の形と曲がる姿で見せた。

出典・画像について

出典:Discover Arezzo 公式観光記録2026-09-23 確認)
画像:Cimabueアレッツォの十字架上のキリスト》/アレッツォの十字架上のキリスト — Cimabue / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-23 確認)
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