何が描かれているか
聖母が幼子を膝に抱き、左右に三人ずつ天使が立つ。尖った頂部と縦長の板が視線を上へ導き、玉座の段や側面が奥行きを示す。
周囲の小円内にも聖人や預言者などの姿が描かれる。中央だけでなく外周まで見ると、礼拝のための大きな画面として作られたことが分かる。
作品の見どころ
聖母の青い衣と金地、玉座の直線、天使の身体の傾きを追いたい。同じ形を機械的に繰り返さず、重なる姿が奥への道筋をつくる。
絵の表面は後の修復を経て見えている。現代の明るい再現画像を、中世に見えた色そのものと決めつけない。
制作背景
ルーヴルは制作を13世紀末の1275〜1300年とし、作者をチマブーエと記録する。高さ約4.27メートルの板絵で、もとはピサのサン・フランチェスコ聖堂にあった。
サンタ・トリニタの荘厳の聖母とは別の祭壇画である。題名に「ルーヴル」を付け、同じ聖母子の主題を二つの作品として区別した。 描かれた外周の小円も画面の一部であり、現代の展示で付けられた額縁と同一視しない。