帝国の推移:帝国の絶頂
画家 トマス・コール →The Course of Empire: The Consummation of Empire / ニューヨーク歴史協会
湾は白い建物と祝祭の群衆で埋まりました。連作で最も華やかな場面ですが、この繁栄が到達点ではないことを、次の絵が明らかにします。
何が描かれているか
湾を囲むように白い建物が立ち並び、舟や人々、飾り布が水辺を埋めています。橋の上では支配者を迎える行列が進み、巨大な彫像が都市を見下ろします。五点の連作の中央に置かれた、帝国の繁栄の場面です。
作品の見どころ
前作の大きな木々や広い草地を思い出すと、眺めの変わり方に驚きます。建物の列が奥へ重なり、自然の形を覆っています。この一枚だけは他の四枚より大きなカンヴァスが使われ、建築も群衆も連作の頂点にふさわしい密度で描かれています。
制作背景
都市の構想には、コールがロンドンで見たターナーの《カルタゴを建設するディド》も関わっています。ただ、豪華さを無条件にたたえた絵ではありません。公式解説によれば、コールは富とぜいたくへの警告としてこの都市を描きました。美しさに目を奪われることと、その危うさを読むことが重なります。
出典・画像について
画像:トマス・コール《帝国の推移:帝国の絶頂》/帝国の推移:帝国の絶頂 — Thomas Cole / Wikimedia Commons(所蔵:ニューヨーク歴史協会), 1858.3
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