1836年
34〜35歳頃

帝国の推移:荒廃

画家 トマス・コール →
The Course of Empire: Desolation / ニューヨーク歴史協会
人々が消えた都で、柱の上には鳥が巣をつくっています。最後に残るのは帝国の勝者ではなく、廃墟の間へ戻ってきた自然です。

何が描かれているか

人の姿が消え、壊れた橋や柱が水面に映っています。連作れんさくの最後の一枚です。前作の炎や争いの動きはなくなり、湾には静けさが広がっています。都を埋めていた建物は、草木に覆われた断片として残りました。

作品の見どころ

左の高い柱の上には、鳥が巣をつくっています。柱の根元には植物がからみ、岸辺には鹿もいます。人間が建てたものが失われていく一方で、別の生き物の居場所が生まれています。最初の絵と見比べると、自然へ戻った土地にも、人のいた痕跡が残ることが分かります。

制作背景

コールは友人デュランドへの手紙で、この絵で静けさと孤独を表したいと述べています。所蔵館は、文明の盛も衰を人間の仕事が自然へ還っていく過程として解説しています。五枚を見終えると、華やかな都市だけでなく、それを取り巻いていた山や水も物語の主役だったと感じられます。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい、カンヴァス
所蔵
ニューヨーク歴史協会
目録番号
1858.5

出典・画像について

画像:トマス・コール《帝国の推移:荒廃》/帝国の推移:荒廃 — Thomas Cole / Wikimedia Commons(所蔵:ニューヨーク歴史協会), 1858.5
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / Commonsの複製画像の説明(画像情報:2026-10-16 確認)
全景を比例縮小しています。
間違いを見つけたら、教えてください →

実物を見に行く

まずは国内の美術館から。公式の展示情報を見ながら、行きたい場所を探せます。
国内の美術館を探す →
展示替え・貸出などで作品が展示されていない場合があります。訪問前に展示・開館日・入館方法をご確認ください。