帝国の推移:破壊
画家 トマス・コール →The Course of Empire: Destruction / ニューヨーク歴史協会
祝祭の都は、炎と逃げ惑う人々の場所に変わりました。頭を失った巨大な像が腕を振り上げ、帝国の崩壊を見下ろしています。
何が描かれているか
建物から炎が上がり、橋は崩れ、水辺では人々が争い、逃げています。前作を満たしていた祝祭のにぎわいは、混乱へと変わりました。連作の四枚目で、栄華をきわめた帝国が侵入者に破壊される場面です。
作品の見どころ
右手前の巨大な像は、腕を大きく伸ばしたまま頭を失っています。力強い身振りなのに、目の前の破壊を止めることはできません。白い像の斜めの線や奥へ崩れていく橋が、静かな建物の列とは違う、落ち着かない動きを生んでいます。
制作背景
所蔵館の解説によれば、この像の形はルーヴルの《ボルゲーゼの闘士》に基づいています。コールは1836年の友人デュランドへの手紙でも、都市の略奪と焼失を描いていることに触れました。華やかな都市を一度つくり上げてから壊すことで、繁栄が続くという期待を揺さぶります。
出典・画像について
画像:トマス・コール《帝国の推移:破壊》/帝国の推移:破壊 — Thomas Cole / Wikimedia Commons(所蔵:ニューヨーク歴史協会), 1858.4
全景を比例縮小しています。
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