1833年
31〜32歳頃

巨人の酒杯

画家 トマス・コール →
The Titan's Goblet / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
山より大きな杯の水面に、帆船が浮かんでいます。杯の縁には建物まであり、器の中と外で大きさの感覚が揺らぐ、不思議な風景です。

何が描かれているか

巨大な杯が、山と谷の中にそびえています。近づいて見ると、杯の水面には帆船が浮かび、縁には木々や古代風の建物が並んでいます。こぼれた水は、外の世界へ滝のように流れ落ちています。

作品の見どころ

杯だけなら、手に持てる器にも見えます。けれど小さな帆船を見つけた途端、それは人々が暮らせるほど広い湖に変わります。さらに下の山や海へ目を戻すと、その世界さえ大きな自然の一部になる。大きさを測る手がかりが、見る場所によって入れ替わります。

制作背景

イタリアで見た風景や古典的な神話が、この空想を支えています。ただし、杯が何を意味するのかは決着していません。メトロポリタン美術館は北欧神話やギリシア神話などに結びつける複数の説を紹介しています。謎を一つに解くより、どこまでが器で、どこからが風景なのかを眺める楽しさが残ります。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい、カンヴァス
所蔵
メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
目録番号
04.29.2

出典・画像について

出典:メトロポリタン美術館 作品記録(2026-10-16 確認)
画像:トマス・コール《巨人の酒杯》/巨人の酒杯 — Thomas Cole / The Metropolitan Museum of Art; Gift of Samuel P. Avery Jr., 1904, 04.29.2
画像の出典 / The Met Open Access / CC0 1.0(画像情報:2026-10-16 確認)
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