1939年
59〜60歳頃

忘れっぽい天使

画家 パウル・クレー →
Vergesslicher Engel / ツェントルム・パウル・クレー
細い線で描かれた、目を伏せる天使。太い線の晩年作とは違う、素描そびょうの表情を見ます。

何が描かれているか

細い鉛筆の線で、羽のある人物が描かれています。頭は少し傾かしき、目は伏せられたように見えます。身体の前には手が重なり、肩や腕は簡単な線でつながっています。華やかな装飾のある天使というより、何かを考えたり、戸惑ったりしている人のような姿です。

作品の見どころ

少ない線でも、頭の傾きと手の位置から表情やしぐさを想像できます。題名を読むと、忘れ物に気づいた天使のようにも感じられますが、具体的に何を忘れたのかは描かれていません。物語を決めずに、線の曲がり方や身体の不安定さを見てみてください。《新しい天使》と比べると、同じ天使の題材でも、構えた姿と控えめな姿という違いを楽しめます。

制作背景

1939年、クレーが59〜60歳の頃の紙作品です。Jewish Museumの展覧会目録は、鉛筆で描いた紙を厚紙へ貼り付けた技法と、作品番号「1939, 880」を記録しています。晩年には太い黒線を使う絵画だけでなく、このような繊細な素描も制作していました。一つの作風だけにまとめず、同時期の絵画と線の細さ、余白、人物の表情を見比べたい作品です。

作品情報

材質・技法
鉛筆、紙(厚紙に貼付)
所蔵・寄託
ツェントルム・パウル・クレー
目録番号
1939, 880

出典・画像について

出典:Jewish Museum 2026年展覧会作品目録(2026-09-28 確認)
画像:パウル・クレー《忘れっぽい天使》/Commons掲載の忠実な複製(撮影者の記載なし)
画像の出典 / Public Domain(地域条件あり) / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-28 確認)
Commons個別ページのPublic domain / PD-Art表示に基づく忠実な複製。 米国での作品著作権は別途確認が必要です。国・地域によって扱いが異なります。
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