1914年
34〜35歳頃

ハマメットのモスク

画家 パウル・クレー →
Hammamet with Its Mosque / メトロポリタン美術館
町の姿が、透ける色の面へ変わり始めます。チュニジア旅行での色彩の発見をたどります。

何が描かれているか

画面の上部に、塔のある建物と庭の緑が見えます。その下には桃色や赤、淡い緑の面が広がり、町を見渡す景色と、色の組合せによる抽象的な画面が同居しています。建物は細部まで描き込まれず、簡単な輪郭りんかくや色のかたまりとして置かれています。紙の明るさを透かす水彩が、風景全体を軽やかに見せています。

作品の見どころ

上から下へ視線を移すと、建物として読み取れた形が、四角や三角の色面へと変わっていきます。何が描かれているかを当てるだけでなく、隣り合う色の違いや重なりにも注目してみてください。現実の町を出発点にしながら、見えた形と色を画面の中で組み直す、その途中のような風景を楽しめます。

制作背景

クレーは1914年4月にチュニジアを旅し、14日にハマメットを訪れました。所蔵館は、城壁の外から描かれた眺めとして本作を説明しています。以前からのロベール・ドローネーの色彩への関心と、旅行中の経験が重なった時期の作品です。風景の写生と、色そのものを主役にする表現の結びつきを見ることができます。

作品情報

材質・技法
水彩・黒鉛、紙(厚紙に貼付)
所蔵・寄託
メトロポリタン美術館
目録番号
1984.315.4

出典・画像について

画像:パウル・クレー《ハマメットのモスク》/メトロポリタン美術館(Commons寄贈画像)
画像の出典 / Public Domain(地域条件あり) / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-28 確認)
Commons個別ページのPublic domain / PD-Art表示に基づく忠実な複製。 外側の撮影背景のみ透過し、作品の台紙と書込みを残しています。
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