中央の道と、細かく枝分かれする脇道。線の規則と色の変化から画面を歩いてみます。
何が描かれているか
画面の中央に、上へ向かって細くなる道のような形があります。その左右は、大小の四角形と細い横線でぎっしり分けられています。青、黄、灰色、淡い赤などが帯状に並び、遠景のような上部には青い色が集まっています。道を描いた景色にも、色と線で作った地図にも見える構成です。
作品の見どころ
中央の道の両端は比較的まっすぐですが、脇の区画は細かく折れたり枝分かれしたりしています。大きな流れと小さな変化を見比べると、単調な格子にはない動きを感じられます。所蔵館の解説によれば、中央の線には定規を使い、脇の線は手で描いています。まっすぐ進む道と、寄り道する道の違いを、線の引き方でも表しているのです。
制作背景
クレーが1928年末から1929年初めにエジプトを旅した後の作品です。所蔵館は、旅行と画面の帯状の構成を結びつけて説明しています。キャンバスの石膏地が乾く前に線を刻み、その上へ色を重ねる方法も用いています。旅の眺めをそのまま再現するのではなく、分割や色の反復へと置き換えていく制作の工夫を見ることができます。
出典・画像について
画像:パウル・クレー《幹線道路と脇道》/Raimond Spekking
Commons個別ページのPublic domain / PD-Art表示に基づく忠実な複製。 写真:Raimond Spekking。配布元ですでに額縁を除いた全景です。
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この画家について本で読む
パウル・クレー作品集 詩と絵画の庭
黒田 和士 著 / 東京美術
物語、前衛、バウハウス、自然、文字など6つの視点から約140点を大判で見られる作品集です。
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