1938年
58〜59歳頃

ルー近郊の公園

画家 パウル・クレー →
Park bei Lu / ツェントルム・パウル・クレー
木や道が太い黒線と色の面に変わった公園。晩年の自然の見方をたどります。

何が描かれているか

赤や桃色、青、黄色の面の間を、太い黒い線が走っています。線は枝分かれしたり弧を描いたりして、木や枝、曲がった道を思わせます。丸い色の形もところどころに置かれ、写実的な遠近法えんきんほうで描いた公園とは異なる眺めになっています。

作品の見どころ

黒線は自然の形を示すと同時に、色面を区切る骨組みとしても働いています。枝に見えた線が道のようにも感じられ、どこから眺めた景色かが一つに決まりません。線の分かれ方や曲がり方を追うと、目線が公園を歩くように移動していきます。背景の赤と明るい色が、黒線の強さを際立たせている点も見どころです。自然を、形の成長やつながりとして見ることができます。

制作背景

1938年の作品です。所蔵館は、1930年代に妻リリーが療養していたルツェルン近郊の施設の公園と、そこにある曲がった道や植物が、制作の着想になったと説明しています。枝や道の形を太い黒線へまとめ、周囲に色面を置く晩年の特徴が表れています。晩年のクレーが実際の場所を手掛かりにしながら、細部をそっくり写すのではなく、線と色による独自の自然の姿を作った例です。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい・糊絵具、紙(黄麻布に貼付)
所蔵・寄託
ツェントルム・パウル・クレー
目録番号
1938, 129

出典・画像について

画像:パウル・クレー《ルー近郊の公園》/WikiArt掲載の忠実な複製(撮影者の記載なし)
画像の出典 / Public Domain(地域条件あり) / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-28 確認)
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