1932年
52〜53歳頃

ポリフォニー(多声)

画家 パウル・クレー →
Polyphonie / エマヌエル・ホフマン財団(バーゼル美術館に寄託)
重なる色面と小さな点を、多声の音楽になぞらえた抽象画。それぞれの色の働きを追います。

何が描かれているか

青、緑、茶、淡い赤などの四角い色面が、横長の画面に重なっています。その上を細かな点が覆い、輪郭りんかくのはっきりした部分と、隣の色へ溶け込むような部分が混ざります。大きな色のかたまりを追うか、小さな点を追うかで、見えてくる構造が変わります。

作品の見どころ

ポリフォニーとは、複数の独立した旋律が同時に進む音楽のことです。絵でも、一つの色だけを見ると別の形が浮かび、全体へ目を戻すと、それらが重なって一つの画面を作ります。特定の音や楽曲が描かれたと決めず、色面と点の異なるリズムを比べてみてください。《アド・パルナッスム》と並べると、同じ年の点描的な手法が、風景にも純粋な色の構成にも使われたことが分かります。

制作背景

1932年の作品です。研究論文は、色の粉を水性の材料で練るテンペラ画で、表面の保護用ワニスは塗っていないと記録しています。クレー研究者ワルター・フックスは、クレー夫妻の手紙などから、ベルンへ移った後に自宅の寝室に掛けられていたことを確認しています。1935年にエマヌエル・ホフマン財団の所蔵となった経緯けいいも調べられています。

作品情報

材質・技法
テンペラ、カンヴァス(ワニスなし)
所蔵・寄託
エマヌエル・ホフマン財団(バーゼル美術館に寄託)
目録番号
1932, 273

出典・画像について

画像:パウル・クレー《ポリフォニー(多声)》/Commons掲載の忠実な複製(撮影者の記載なし)
画像の出典 / Public Domain(地域条件あり) / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-28 確認)
Commons個別ページのPublic domain / PD-Art表示に基づく忠実な複製。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

パウル・クレー作品集 詩と絵画の庭
黒田 和士 著 / 東京美術
物語、前衛、バウハウス、自然、文字など6つの視点から約140点を大判で見られる作品集です。
楽天ブックスで見る →