1937年
57〜58歳頃

高架橋の革命

画家 パウル・クレー →
Revolution des Viaductes / ハンブルク美術館
橋のアーチが列を離れ、歩き出すように並びます。建築の形が人物に見える晩年の一作です。

何が描かれているか

灰色がかった背景の上に、赤や黄色のアーチ形が並んでいます。橋なら横につながるはずの部分が切り離され、一つずつ前後にずれて立っています。下へ伸びる柱は脚のようで、同じ方向へ歩く人々にも見えてきます。大きさや色、柱の長さはそろわず、安定した建築が動き始めたような不思議な画面です。

作品の見どころ

橋の形を一つの集団として見ると、整列して進む行進にも、それぞれが列から離れる動きにも感じられます。所蔵館の解説も、軍隊の不吉な足並みと、個々の存在の立ち上がりという複数の読み方を示しています。どちらか一つの意味へ決めつけず、色や間隔の違いを比べてみてください。形の反復の中に、そろう動きとそろわない動きが共存しています。

制作背景

スイスへの亡命ぼうめい後、1937年に描かれた作品です。ハンブルク美術館は、準備段階では橋の周囲に人や動物を描いていたのに対し、完成作では形と色の象徴的な力へ集中したと説明しています。晩年のクレーが、細かな物語を省いて簡潔な形に表現を託した例です。少ない要素で建築、人物、集団の動きを重ねる工夫を見ることができます。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい、綿布
所蔵・寄託
ハンブルク美術館
目録番号
HK-2899(1937, 153)

出典・画像について

出典:ハンブルク美術館 作品解説(2026-09-28 確認)
画像:パウル・クレー《高架橋の革命》/Commons掲載の忠実な複製(撮影者の記載なし)
画像の出典 / Public Domain(地域条件あり) / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-28 確認)
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黒田 和士 著 / 東京美術
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