1903年
23〜24歳頃

木の上の処女(夢見る乙女)

画家 パウル・クレー →
Jungfrau im Baum / Jungfrau (träumend) / ニューヨーク近代美術館(MoMA)
枝と身体がもつれ合う初期の版画はんが。細い線に潜む、クレーの風刺的な目を見ます。

何が描かれているか

葉のない木の枝に、裸の女性が身体を預けています。腕や脚は細い枝と絡み合い、身体をどこで支えているのか、すぐには分かりません。周囲には広い余白があり、風景を詳しく描くよりも、木と人の不思議な組合せに目が向く構図こうずです。白黒の画面で、肌の丸みと枝の鋭い線が対照をなしています。

作品の見どころ

見どころは、美しい裸婦という題材を、少し奇妙で不安定な姿へ変えていることです。人体をたどっているうちに線が枝へつながり、人と植物の境界も曖昧に感じられます。MoMAはこの作品を、理想化された女性の裸身への風刺として紹介しています。かわいらしい色彩だけでは捉えきれない、初期クレーの批評的な一面が見えてきます。

制作背景

1903年、クレーが23〜24歳の頃に制作したエッチングです。金属板を覆う膜に線を描き、露出部を腐食させ、インクを紙へ刷る版画の技法が使われています。1903〜1905年に取り組んだ《インヴェンション》の一作で、色彩画家として知られる前に、線と風刺を探究していた時期を理解する入口になります。

作品情報

材質・技法
エッチング、紙
所蔵・寄託
ニューヨーク近代美術館(MoMA)
目録番号
335.1941

出典・画像について

画像:パウル・クレー《木の上の処女(夢見る乙女)》/Commons掲載の忠実な複製(撮影者の記載なし)
画像の出典 / Public Domain(地域条件あり) / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-28 確認)
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