金の衣服を近づいて見ると、そこにも小さなキリストの物語が描かれています。大きな聖人像の中に、もう一つの世界があります。
何が描かれているか
司教の冠をかぶった聖アウグスティヌスが、杖と閉じた本を持って立っています。白い髭と落ち着いた顔の下には、聖書の場面で飾られた豪華な衣服。大きな人物の姿と、布の上のごく小さな人物たちが、一枚の板の中で異なる大きさの物語を作っています。
作品の見どころ
リスボンの所蔵館は、透明な水晶の杖を描き分ける技術に注目しています。布、宝石、透ける材質を見比べると、人物が彫像のようにどっしりしているだけではないことが分かります。閉じた本と対照的に、衣服にはキリストの幼年期と受難の物語が見える、という館の読み方も、細部を辿る手掛かりになります。
制作背景
サンセポルクロのサンタゴスティーノ聖堂にあった多翼祭壇画の一部です。注文は1454年、完成は1469年とされ、中央の聖母子は失われました。《大天使ミカエル》も同じ祭壇画の板です。今は離れた美術館にありますが、元は隣り合う人物として、光と身体の大きさを共有していました。
出典・画像について
画像:Piero della Francesca《聖アウグスティヌス》/聖アウグスティヌス — Piero della Francesca / Wikimedia Commons(忠実な二次元複製) / Public Domain Mark 1.0
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