奥でキリストが鞭打たれているのに、手前の三人は別の時を生きるように立っています。明快な空間ほど、物語は謎を深めます。
何が描かれているか
左奥の柱廊で、柱に縛られたキリストが鞭打たれています。右手前には三人の男性。赤い服の若者は裸足で立ち、両側の男性たちと静かな群れを作っています。同じ絵の中にあるのに、二つの出来事の間には大きな距離があり、三人が何を見て何を話すのかも簡単には読み取れません。
作品の見どころ
床の模様、柱の間隔、天井の区画を奥へ辿ると、空間の組み立ては驚くほど明快です。その明快さが、人物同士の関係の分からなさをかえって際立たせます。奥の受難から手前の三人へ何度か目を往復させてみてください。視線が自然につながる所と、意味が途切れる所の両方が、この小さな絵を忘れがたくしています。
制作背景
所蔵館の目録は1459〜1460年としますが、制作年や注文主、元の用途には諸説があります。手前の三人をウルビーノの政治や東方教会の苦難と結びつける解釈も、一つに決着していません。人物名を先に当てはめず、まず確かに描かれた距離と光を見ることから始められる作品です。
出典・画像について
画像:Piero della Francesca《キリストの鞭打ち》/キリストの鞭打ち — Piero della Francesca / Wikimedia Commons(忠実な二次元複製) / Public Domain Mark 1.0
配布画像の全景を保持。作品内容の切り取り・色補正・拡大補間なし。
間違いを見つけたら、教えてください →実物を見に行く
まずは国内の美術館から。公式の展示情報を見ながら、行きたい場所を探せます。
国内の美術館を探す →展示替え・貸出などで作品が展示されていない場合があります。訪問前に展示・開館日・入館方法をご確認ください。