聖母が広げたマントの下に、人々の居場所ができます。金色の背景の中に、包まれる空間が生まれる祭壇画です。
何が描かれているか
中央の聖母が大きくマントを広げ、その下で男女が膝をついています。人々よりはるかに大きい聖母の姿が、庇護する存在であることを目に見える形にしています。左右には聖人たち、上には磔刑、下には小さな物語の絵が並びます。ここでは中央の聖母だけでなく、複数の板を組み合わせた祭壇画の全体を紹介しています。
作品の見どころ
背景は金色で、遠い山も空もありません。それでも聖母のマントは弧を描き、祈る人々を囲む厚みのある場所に見えます。正面を向く聖母と、横顔や後ろ姿を交えた小さな人々。その向きの違いを辿ると、古くからの慈悲の図像に、身体を立体として捉えるピエロの工夫が重なっていることが分かります。
制作背景
郷里の慈悲同信会から1445年に注文され、1462年の支払いが制作期間の上限を考える手掛かりとなります。元の枠組みは後の改変で失われ、一部の板も切り詰められました。小さな下部の物語まで全てをピエロ一人の手と決めることはできません。現在の組み合わせを、注文時の姿そのものとは区別して見る必要があります。
出典・画像について
画像:Piero della Francesca《慈悲の多翼祭壇画》/慈悲の多翼祭壇画 — Piero della Francesca / Wikimedia Commons(忠実な二次元複製) / Public Domain Mark 1.0
元の枠を失い改変を経た複数パネルの現存全体。全区画を画家本人の手と断定しません。配布画像の全景を保持。作品内容の切り取り・色補正・拡大補間なし。 Web表示では作品の外側の撮影用余白だけを輪郭に沿って透過。元画像のバイト・色・解像度は変更していません。
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