1469年完成
40代後半〜50代頃

大天使だいてんしミカエル

画家 ピエロ・デッラ・フランチェスカ →
Saint Michael / ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
穏やかな美しい顔の下に、切り落とされた怪物の頭があります。勝利を叫ばない戦士の姿です。

何が描かれているか

宝石を飾った甲冑の大天使ミカエルが、剣と怪物の頭を持って立っています。足元には倒した相手の身体が残ります。蛇のような頭は悪魔を表し、天使の戦いと勝利を伝えます。それでもミカエル自身の顔は静かで、激しい戦闘の瞬間より、戦いの後の確かな立ち姿が選ばれています。

作品の見どころ

重さを預ける脚と、少し緩めた反対の脚を見比べてみてください。所蔵館はこの姿勢や身体に沿う胸当てを、古代彫刻への関心と結びつけています。白い肌、淡い翼、背後の大理石には近い色が使われ、人物と建築が落ち着いた光を共有します。そのまとまりの中で、手に持った怪物の細部だけが強く目を引きます。

制作背景

1454年に注文され、1469年に完成したサンタゴスティーノ祭壇画さいだんがの一枚です。元は中央の聖母子せいぼしのすぐ左に立ち、そのさらに左に《聖アウグスティヌス》がありました。右下にわずかに残る玉座の段と衣服は、今は失われた中央の板とのつながりを教えてくれます。単独の戦士像に見える絵にも、かつて隣にいた人物の気配が残ります。

作品情報

材質・技法
板に油彩ゆさい(ポプラと推定)
所蔵
ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
目録番号
NG769

出典・画像について

画像:Piero della Francesca《大天使ミカエル》/大天使ミカエル — Piero della Francesca / Wikimedia Commons(忠実な二次元複製) / Public Domain Mark 1.0
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