聖ゲオルギウスと竜(ロンドン)
画家 パオロ・ウッチェロ →Saint George and the Dragon / ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
騎士が槍を突き出す横で、姫はもう竜を紐につないでいます。別々の時刻が、不思議な一場面になりました。
何が描かれているか
白馬に乗るゲオルギウスが、洞窟の前の竜へ槍を突き出しています。左の姫は竜につながる紐を持ち、右上には渦を巻く雲。竜を従えることと倒すことという、伝説の異なる場面が一緒に描かれています。
作品の見どころ
槍、竜の翼、雲の流れは斜めの動きを作ります。ところが地面の四角い石と草地の線は、別々の方向へ奥行きを示します。きれいに整った空間に見えそうで、どこか落ち着かない。翼の丸い模様や洞窟の形も、その少し夢のような感じに加わっています。
制作背景
現行の所蔵館目録では1470年頃、カンヴァスに油彩とされています。注文主は不明で、家庭の室内を飾った可能性が示されています。金箔を使う大きな記念画とは違い、この作品には高価な顔料や金箔が用いられていません。パリ版と見比べると、同じ伝説から異なる世界を作る画家の工夫がよく分かります。
出典・画像について
画像:Paolo Uccello《聖ゲオルギウスと竜(ロンドン)》/聖ゲオルギウスと竜(ロンドン) — Paolo Uccello / Wikimedia Commons(忠実な二次元複製) / Public Domain Mark 1.0
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